2025年5月4日、18年ぶりの七戸駅訪問

2025年5月のゴールデンウィーク、青森県七戸町で開催された旧南部縦貫鉄道のレールバス体験乗車イベントに参加してきました。この地を訪れるのは実に18年ぶりのことです。
前回は2007年5月、子どもたちを連れて参加したイベント。そしてその前は路線が廃止される直前の1997年2月に初めて乗車したのが最初の出会いでした。

この写真が1997年2月に乗車した際の七戸駅でのもの。
時が止まったような七戸駅

七戸駅に到着して驚いたのは、当時のまま、何も変わらない光景がそこにあったことです。古い木造の駅舎には「南部縦貫鉄道」の文字が誇らしげに掲げられ、待合室の中には昔ながらの時刻表や鉄道関連の展示物が大切に保管されていました。

壁には様々な行先札が飾られており、かつてこの鉄道が地域の足として活躍していた時代を偲ばせます。「暴風雪」「大雨」などの札は、この地域の厳しい気象条件の中で運行していた歴史を物語っています。
風格ある旧南部縦貫鉄道の車庫
駅の横には古い木造の車庫があり、その外観からも歴史の重みを感じます。「南部縦貫鉄道」の看板が掲げられた建物は、長年の風雪に耐えてきた証として味わい深い風合いを見せていました。
この車庫の中で、大切に保管されているレールバスたちが次の出番を待っているのです。
レールバス体験乗車 - オレンジ色の可愛らしい車両

今回のイベントの主役は、オレンジ色が鮮やかなレールバスです。バスを鉄道用に改造した独特の車両で、丸みを帯びたフォルムが愛らしく、まさに昭和の鉄道を代表する姿です。
前面には大きなヘッドライトが一つ、そして下部には赤いテールランプ。シンプルながらも機能的なデザインが、この車両の魅力です。車体番号も誇らしげに表示されています。
車内は満員の熱気

車内は鉄道ファンや地元の方々、そして家族連れで満員でした。天井には昔ながらの吊り革や手すりが並び、窓からは柔らかな光が差し込んでいます。
約300メートルという短い区間の体験乗車でしたが、この貴重な車両に乗車できる喜びは格別です。エンジンの音、振動、そして独特の揺れ。すべてが懐かしく、同時に新鮮な体験でした。
車庫内の貴重な車両たち

車庫の中では、異なる時代の車両たちが並んで保管されていました。オレンジ色のレールバスの隣には、青と黄色のツートンカラーの機関車も。それぞれが南部縦貫鉄道の歴史を物語る貴重な存在です。
前面には手押しのトロッコも置かれており、かつての保線作業の様子も垣間見ることができました。
保存会の方々の熱意と努力

このイベントが毎年開催できているのは、保存会のボランティアの方々の献身的な活動があるからこそです。車両の修繕はもちろん、保線作業、駅舎の整備、清掃まで、本当にたくさんの努力が注がれています。
青い作業服を着た保存会のスタッフの方々が、真剣な表情で車両の点検や運行準備をされている姿は、この鉄道への深い愛情を感じさせます。地元の方々の「この鉄道を後世に残したい」という熱い想いが、確実に形になっているのです。
七戸の春、レールバスとともに

イベント当日は春の青空が広がり、新緑が美しい季節でした。七戸駅のホームに停車するレールバスと、背景の木々の緑が美しいコントラストを作り出していました。
七戸駅の駅名標も当時のまま保存されており、まるで時間が止まったような不思議な感覚に包まれます。
地域を盛り上げる存在
南部縦貫鉄道は1997年に廃止されてから28年が経ちますが、こうして毎年イベントとして蘇ることで、地域を盛り上げる重要な存在であり続けています。
田舎の小さな町で、かつての鉄道が輝きを放ち続ける。これは単なるノスタルジーではなく、地域の人々が自分たちの歴史と文化を大切にし、未来につなげていこうという強い意志の表れなのです。
1997年、2007年、そして2025年

1997年2月、廃止直前に初めて乗車した時の感動。2007年5月、子どもたちと一緒に参加したイベントの楽しさ。そして2025年5月、18年ぶりに訪れた今回の感慨深さ。
それぞれの時代に、この南部縦貫鉄道は特別な思い出を与えてくれました。車両は変わらず、駅舎も変わらず、そこにありました。変わったのは自分自身と、一緒に来た家族の姿だけです。
輝き続ける車両たち
保存会の方々の努力によって、大切に守られてきた車両たちは今日も輝いていました。オレンジ色の車体は色あせることなく、むしろ歴史の重みを増して、より魅力的に見えました。
この車両たちが、これからも多くの人々に夢と感動を与え続けることを願ってやみません。
さいごに

旧南部縦貫鉄道レールバス体験乗車イベントは、単なる鉄道イベントではありません。地域の歴史を守り、文化を継承し、そして人々の心に温かい思い出を残す、大切な場所なのです。
保存会の皆様、そして地域の方々の熱意に心から感謝します。18年ぶりの訪問で、改めてこの鉄道の素晴らしさと、それを守り続ける人々の素晴らしさを実感しました。
また数年後、この地を訪れることができる日を楽しみにしています。
地域と共に輝き続ける南部縦貫鉄道、ありがとう
